「歌ってみました」で人気を増やす方法 ボーカル講師からの視点

誰もが、自分の歌を聴いてもらえる時代に

現代のようにインターネットがここまで普及していない時代の頃は、自分の歌を聴いてもらうために、ライブハウスを借りたり、CDを名刺代わりに手渡しして、少しずつ人気を増やしていきましたが、近年、YouTubeやニコニコ動画などの無料動画配信サイトが誕生してから、宣伝方法が大きく変わり、大手レコード会社や芸能事務所も、YouTubeなどを利用して、宣伝・広告を広めています。

その結果、利益主義の会社は、支出の大きい、会場やホール、ライブハウスなどでの歌手のライブを開催することを減らし、無料で宣伝できて、かつ利用者が多い分、大衆を掴みやすいYouTubeやニコニコ動画での宣伝へシフトしていきました。

大手企業がYouTubeやニコニコ動画を宣伝・広告に利用する理由は?

グーグルやドワンゴという、大きな会社が運営しているのも理由の一つではありますが、何より、2つの凄い理由があります。

全世界の利用者が集う

YouTubeやニコニコ動画などの動画配信サイト産業の利用者数は、年々と飛躍的に増えています。それだけ、ファンになってくれる方が多いということです。さらには、日本だけに止まらず、全世界がYouTubeやニコニコ動画に集いますので、例え、日本で認知されなかった歌声も、海外で爆発、炎上。なんてこともたくさんあります。

無料で利用ができる

YouTubeやニコニコ動画は、基本無料で利用できます。一部有料コンテンツもありますが、動画を配信するのも、視聴するもの、基本無料なのが魅力的で、それだけ、大衆が集いやすくなっています。

しかし、それだけ、新参者が入れるようなところではないのが事実

YouTubeでよく、すぐに「○○00万円」稼げます!なんていう広告を見かけますが、実際は、そう上手くはいきません。
なぜなら、誰もが入れて活動できるスペースだからこそ、ライバルがたくさんいます。

わかりやすく例えると、フランス国立図書館「ビブリオテークナショナル」のようなものです。
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膨大な数の本が並んでいますよね。これが、動画を配信するユーチューバー。
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中央で読書をしている方々が、リスナー(動画を視聴する人)。

どの本も、一見、同じように見えますよね。その中で、読者は、見たい!という衝動に手に取って、もしくは、以前から見てみたかったんだ!という思いから手に取って、読んでいます。
このように、同じ「動画」の中で、どれだけ、魅力的な配信をしなければいけないのかが分かるかと思います。
なので、簡単にはいかないのが、事実なんです。

ただ、歌唱動画を撮影して公開するだけで良い世界ではないのです。
では、どうしたら、新参者でも、人気になるのでしょうか。
ボーカル講師の視点からお伝えいたします。

自分をマネジメントする能力が必須

YouTubeは、ひとつの産業とお話した通り、YouTubeという世界にたくさんのライバルがいます。
その中で、魅力的に輝くには、以下の3つのポイントがあります。

動画タイトルを工夫する

カバー曲を公開するのであれば、そのカバー曲の曲名を前側に置いて、カバーと記載するのがベストでしょう。
例えば、「(映画タイトル) (曲名) (カバー) (自分のアーティスト名)」

難しいのが、オリジナル曲を公開する場合です。
オリジナル曲の場合は、その曲名にブランド力がないので、聴いてもらえる可能性、ほぼ皆無です。

そこで、リスナー(視聴者)に聴いてもらって、どのように感じて欲しいかを動画タイトルにすると良いでしょう。
例えば、「(日々の疲れを吹き飛ばしてくれるカオスな曲) (自分のアーティスト名)」

このように動画タイトルを選定すると、興味を持ってくれたリスナー(視聴者)が足を運んでくれます。
ただし、余りにも動画内容から離れた映画タイトルにすると、評価にバッドがつきますし、何より、折角聴いていただいたリスナー(視聴者)に申し訳ありませんよね。

定期的に新作を公開するエネルギー

例えば、リスナー(視聴者)が、あなたの歌唱に感動した場合、他に歌った曲もないかなと、探すと思います。
その時に、他に公開した歌唱動画がないと、離れてしまいます。

もし、その時に、チャンネル登録をしてくれた場合でも、次の配信が数か月後や不定期だと、あなたに覚えた感動を忘れてリスナー(視聴者)は、離れてしまいます。
そのため、「歌ってみました」を始めよう!と立ち上がったら、まずは、数曲録り貯めしておくことをおすすめします。

動画が完成したら、すぐに公開したい。と思い、気持ちが焦りますが、グッと堪えてください。

あと、ひとつ重要なこととして、「定期的に新作を公開する」です。
定期的に新作を公開するのは、大変、エネルギーを使います。

それだけ、熱意があって、続けられて、「次は、○○日に公開します」と掲示して、やり遂げられる方だけが人気になります。
何日に公開します。と言って、公開できなかった。なんてすると、リスナー(視聴者)を裏切ったことになりますので、ファンは離れていくでしょう。

信用=人気

これは絶対です。

SNSで拡散

ツイッターやフェイスブックが代表的ですが、音楽・ミュージシャンが集うSNSもありますので、どんどん、活動を公開していきましょう。
毎日、活動内容が更新できない。とお考えの方は、日常のお話でも良いのです。

例えば、「昨日食べた納豆とマヨネーズの組み合わせ、激まず!」や「今さっき撮った青空」など
毎日の積み重ねがファンを増やしていきます。

あ!SNSに更新する際に、タグをつけるのを忘れないでください。
ツイッターですと、「 #ボーカル 」など、#の後ろに検索してほしいワードを記載すると、リスナー(視聴者)は、そのワードを検索して訪問してくれます。

機械的になりつつ世界で

インターネットの普及もそうですが、なんでも、簡単に手に入ると、ついつい、そのモノのありがたみを忘れがちですよね。
音楽も、(皆が良い曲だ!と言うから)良い曲だよね!なんて、自分の気持ちを失いつつあります。

パソコンで、歌唱を打ち込んでできた曲もありますし、ツイッターでも、自動で更新してくれるプログラムもあります。
YouTubeでも、動画を公開することに集中しすぎて、中身が無かったり。

確かに簡単です。しかし、簡単の中に、感動するものがあるのでしょうか。
どこか機械的で人の温かさを感じられないのが、少し気になります。

機械的になりがちの動画の定期更新を自分の色で作る

どうしても、定期更新を続けていると、機械的になりがちになります。それを払拭させるためには、人間らしさを出すことです。

顔を出す

動画に歌唱している人の姿があるか、ないかで、人気も大きく変わってきます。
私が調べた限りでは、顔を出すと、顔を出さない動画の約100倍の視聴回数になっていました。

なりきる

1曲1曲、どんな姿で、どんな思いで歌うのかを想像して歌唱すると、より凄い動画ができます。
例えば、「世界中にゾンビが蔓延る中、小高い丘の中央に自分は立っている。小高い丘から見る空は低く感じて、どこまでも続いていた。もう仲間は皆、ゾンビになって、自分だけが残った。丘から下に目を送ると、ゾンビがひしめき合い、その仲間の姿も見える。私は、この曲を歌って、終わりにしよう。歌えば、ゾンビは、迫ってくるだろう。それでいい。最後は、歌って過ごしたい」

ダメダメなショートストーリーになってしまいましたね…。
しかし、このようなイメージを頭で思い描いて歌うと、歌唱が際立ちます。
中二病と言われそうですが、中二病は童心を残している、ひとつの素晴らしいセンスではないでしょうか。

機械に頼らない

近年の音楽機材やDTMソフトは、練習を全くしていない方が歌った歌唱でも、販売しているCDに入っているプロのような曲に仕上がります。
音を外しても、ピッチアシストで修正できますし、ビブラートも機械で作れます。

そんな中だからこそ、一身で、人を感動させるエネルギーを持った歌声は、凄い力です。
ボイストレーニングの心得」にて、お話しましたが、人が歌うからこその微妙なズレは、その瞬間にしか、生み出せない味なのです。

画像提供: バズット 、 世界中のおしゃれアイデアまとめ

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