5G通信でボイトレをオンラインで受講できるように(2020年夏季に向けた先駆け記事)

全国どこからでもボイストレーニングを学べるようになるかもしれません

今までは日本でボイストレーニングを学ぶ際に、スクールが所在する場所まで行かなければならない理由がありました。
その理由は、『通信速度の限界』によるものです。

当スクールもテレビ電話や生放送などの様々なソフトやプラットフォームを用いて、オンラインでボイトレをお伝えしようと試みましたが、どうしても、通信速度の限界によって描写と音にずれが生じ、幾度となく断念した経緯があります。
しかし、その通信速度によるラグも、2020年夏季の東京オリンピックまでに普及すると言われている高速通信【5G】が始まれば、もしかしたら、解消されるかもしれません。

私の気持ちは、急ぎ量子通信の普及を希望していますが、量子通信でなくても、5Gであれば、今よりはラグが少なくなるでしょう。

5Gはどのくらい凄いのか

韓国、アメリカ、イギリス、オーストラリア、スイスの一部の地域で5Gが開始し、日本でもKDDIなどでデモンストレーションが始まっています。
アメリカで5G通信を利用できる場所であるシカゴとミネアポリスの一部地域で通信速度を計測した方によると、ダウンロード速度は762Mbps、Ping値は19msとのことです。

現在の日本の通信速度は、フレッツ光もauひかりも1Gの通信速度と謳っていますが、これはベストエフォートと言って、『1Gの通信速度を提供しますので、その1Gを地域の人たちと使い合ってください』という仕組みなので、実際は100Mbps前後となるでしょう。
私の住居環境では、30Mbpsから100Mbpsの通信速度です。

その数値から比べると、762Mbpsは7倍以上になるので、簡易的に考えると7倍速度が上がると予想できます。
続いて、オンラインでボイストレーニングをするために重要なPing値です。

このPing値とは簡単にお伝えすると、ラグの値です。
この数値が低い程、ラグがなくなります。

これが、19msというのも魅力的です。
私の住居環境のPing値は平均30msから50msです。

こちらも2倍から2.5倍程、快適になっています。

KDDIが謳う、5Gの通信速度

KDDIは、2019年、都内で5Gをデモンストレーションを行い、以下のような情報を謳っています。

  • 5Gになると、4Gの20倍ものデータを1秒間で送れるようになる
  • インターネットは常に通信機器と情報の送受信ををして、動画を観たり、メールを送ったり、ネットサーフィンしたりとしています。
    そのデータの送受信が今よりも20倍になるとするならば、Skypeなどのテレビ電話でボイストレーニングをお伝えするのは容易になることでしょう。

  • ラグが少なくなる
  • 4Gでは、データを送信する際に、1/100秒のラグがあるとされていますが、5Gでは、1/1000秒のラグになると解説しています。
    音楽をインターネット上で行う時の一番の問題点は、こちら側で音を出して、相手に伝わるまでの音のずれです。これが今よりも10倍速くなるのであれば、腹話術のようになりづらくなる可能性があるのです。

  • 一度に接続できる数
  • ニュースでお彼岸やお盆時期になると高速道路の交通量が多くなり、渋滞していると報道しているかと思います。
    実はインターネット回線も高速道路のようなもので、ひとつの回線という道路の利用者が多くいれば、その分、渋滞し、通信速度が落ちてしまうのです。
    その利用できる利用端末の上限が、1平方km辺りに対して、4Gの場合は10万であるところ、5Gの場合は100万になると解説しています。

参考文献:次世代通信「5G」の超高速な未来を体感してきた!(外部リンク【タイム&スペース】に移動します)

私の考える懸念

5Gの通信速度があれば、ボイストレーニングのオンラインコースも開講することが可能になり、全国各地からの受講ができるようになりますが、今後の課題として以下のことがあります。

  • 健康被害
  • 4Gの場合も同様ですが、電波は基本的に体に良くないとされています。
    5Gを受けるとどのような健康被害として発症するかは、まだ確実な研究がなされておりません。
    オランダで実験的に5G電波を発信したところ、297羽のムクドリが亡くなられてしまったという事例や不眠になったという事例もあり、ベルギーでは、国の政策により5Gを禁止する動きとなっています。

  • 5G同士限定のオンラインのボイストレーニング
  • 講師、生徒さんの両者が5G通信のできる端末を利用しないとラグが発生してしまう問題です。
    5Gの普及に伴い、スマートフォンにも実装されるとのことですので、5G通信対応のスマートフォンを用いれば、カラオケボックスなどからでもボイストレーニングを受講できるようになる予定です。

  • 大容量通信が普通になる時代
  • 5Gが普及し始めて間もない時は、5Gを利用する人も5Gの通信速度に合わせた動画やアプリなども少ないので、快適な通信速度が保たれるでしょう。
    しかし、その5Gが一般になった時、YouTubeでは8Kの画質が普通になったり、VRの進歩や通信量の大きいアプリなどが増え、5Gに合わせたソフトもどんどん開発されていくことでしょう。

    そのような5G頼った世界になった時、高速通信が保たれるかが大きな懸念です。

このように懸念もありますが、どのような形になったとしても、2020年夏季に普及予定の5Gに合わせて、セントラルノイズボイススクールも新たな展開をしていきます。
乞うご期待ください。

今後の5Gの普及率と芸術をお仕事にできる幅が広がる可能性

現在の普及率はこちらからご覧になれます。
5G普及率(外部リンク【Ookla】に移動します)

2019年に各国で発売され始めた5G対応のスマートフォンは、2019年の1年間だけで2200万台の販売数になると予想され、2020年にはiPhoneでも5G対応の機種が登場するとされていますので、更に5Gが身近なものとなるのは間違いなさそうです。

調査会社カナリスによると、2023年には、4Gのスマートフォンよりも5Gのスマートフォンの需要が多くなるという結果を示しています。
2023年までの5G普及推移

このように、新しいデバイスの登場は、芸術家の活動にも影響があります。
通信速度の影響によってできなかった芸術活動も、これから先できるようになるかもしれないのです。

そのフィールドに乗り遅れないためにも、少しずつ新たな展開を探してみてください。
コツとしては矛盾を与えることです。

例えば、どのようなものでも破る矛と、どのようなものでも守る盾は、これまで対立する存在でしたが、これからはどちらも勝るかもしれません。