自宅でもできる! 歌を上手くする呼吸弛緩法
裏声も音域を広げるのも呼吸が制す
ボイトレは、声を作る事を想像するかと思います。
もちろん、綺麗で魅力溢れる声を作るのもボイトレの一つですが、その声の素となる呼気も作ります。
どんなに良い声でも、呼気が少なくては、上手く歌う事は出来ません。
呼気が浅い時に起きる歌声
呼気が浅いと以下のような状態になります。
- ロングトーンが出せない
- 高音が出せない
- 喉を絞る
- 鼻声になる
- ウィスパーボイスやビブラート、ディストーションボイスなどのテクニックが難しい
- 滑舌が重くなる
- 声が響かない
声を長く続けている時、ずっと空気を吐き続けている状態になります。その空気が少ないと、その分、ロングトーンも短くなります。
高音域を発声しているときの声帯の状態は、輪ゴムをぴんと伸ばした時と似ています。ぴんと張り詰めた輪ゴムを弾く時、強く、弾かないと音がならないように、高音域であればあるほど声帯を振動させる呼気を多くしなければなりません。
少ない呼気で発声をすると喉元を絞ります。1曲歌うと喉が痛くなる場合、呼気が浅い場合があります。
口を開けると、その分、呼気を多く必要とするので、鼻のほうに空気を通して発声をするようになります。
テクニックは、通常の歌い方にプラスするアクセントになります。テクニックを入れない状態でも喉を絞った歌い方の場合、テクニックを含ませる事は難しいです。
横隔膜は舌と同じ由来の筋肉です。そして横隔膜は首と神経で繋がっています。つまり、舌や首が硬いと横隔膜も硬くなる。逆も同様です。
良い歌声は、声帯で鳴った音を共鳴腔に響かせて歌っています。少ない呼気だと、声帯を押し当てて、大きな声を出そうとするので、綺麗な音が鳴りません。
このような状態で歌いづらい悩みを抱えている場合は、呼吸を改めてみると良いでしょう。
呼吸が浅くなる原因
身体的要因や心因的要因によって呼吸が浅くなります。
- 呼吸器の周りの筋肉の緊張
- 筋トレ
- 体調不良や寝不足
- 授業などで座っている場合や猫背
- 精神的不調
肺の周りの筋肉を使って呼吸をします。歌を上手くする場合、特に横隔膜の柔軟性が不可欠です。
歌う際に必要なのは、硬い筋肉量ではなく、しなやかな筋肉が求められます。例えば、ペットボトルに入っている水と風船に入っている水では、手で握ったとき、早く水がなくなるのは風船の方だと思います。このように硬い筋肉では呼吸を細かく動かすことができません。
体調不良の場合、心拍数が上がっています。心拍数が早ければ早いほど、酸素を必要としますので、呼吸を深く取るのが難しくなります。
座り仕事や学校の授業などで長時間座っていると、横隔膜の機能が下がります。猫背も同様です。
悩んでいることがあったり、大変なことがあったりすると呼吸が浅くなります。
呼吸を深く取るためのトレーニング方法
呼吸を深く取るためには、肺の周りの筋肉の弛緩が重要になります。
その方法は、
ロングブレス
- ゆっくり呼気を吐く。
- ゆっくり空気を吸う。
「ふ」の口(タコさんのような口)で肺にある空気を全て出します。もうこれ以上出せないところまでいくと全身がブルブルと震えてきます。そこまで空気を出してください。
「ふ」の口(タコさんのような口)で空気をゆっくり深く吸ってください。もうこれ以上吸えないというところから、さらに強くすっていきます。肋骨の下がつる感じに痛くなったら空気を吸うのをやめます。
お試しいただくと良い結果が実感できるはずです。
ロングブレスの効果
昔、中国の王様が家来に「日本に長寿の秘薬があるから、探してこい」と言いました。
家来は日本に渡ったところ、本当に長寿の秘薬があったとされています。
それが、現代で言うロングブレスだったそうです。
現代人は呼吸が浅いとされています。
呼吸が浅いと体が酸化して体調不良になったり、精神的不調になったりします。
ボイトレをストイックに行っている人であれば、あるほど、筋肉を使うことにフォーカスしがちですが、ストイックにボイトレを行っている人ほど、筋肉の弛緩、すなわちストレッチが重要になります。
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