ボーカルで損する人、得する人の超呼吸学
呼吸が浅くて悩んでいませんか?
息が続かない、ロングトーン(声を長く伸ばす)が途中で止まったりしていませんか?
その理由は声帯の硬さだけでなく、呼吸の使い方が要因となっている場合が多くあります。
この記事では、その呼吸について考察も含めてお話いたします。
「胸式呼吸よりも腹式呼吸のほうがいいんでしょ?」というようなお話ではなくて、胸式呼吸でも腹式呼吸でも、どうして呼吸が浅くなるのかを解説していきますので、より深い意味の呼吸を学べる記事となっています。
呼吸を一杯とっても、苦しくなる時もあれば、楽な時もあります。
空気の無駄遣いを減らして、取り込んだ空気をどう使うべきなのか。
実は、自らの生活に大きく関わっています。
一つ衝撃的な事実をお伝えすると、成人女性も成人男性も肺の大きさは変わらないと言われております。
個人差や天性の才能ではなく、呼吸の日々の繰り返しによって呼吸量が変化しているのです。
ボイストレーニングやボーカルを続けていくと呼吸量が増えていきますが、ある一定まで能力が上がると減少期が訪れます。
これは、声帯の柔軟性が上がり、少ない呼気(口から吐く空気)でも声が出るようになるためです。
少ない空気の循環のほうが疲れないので、どうしても楽を求めてしまいますが、低音域と高音域は特に沢山の空気が必要になりますので、「以前は出せていたキーが出せなくなった」という結果になります。
そのため、どんなに歌が上手くなっても、呼吸は常にトレーニングしておくことが第一前提です。
呼吸が浅くなる原因
呼吸が浅いのは3つの理由があります。
- 猫背
- 肺の周りにある筋肉のこわばり
- ブレスコントロール
肩が内側に入ることで肺が縮こまり、横隔膜の機能も低下するので、呼吸が浅くなります。
猫背ではない方も冬などの寒い環境ではなりがちですので意識的に体を温めたり、歌う環境の室温を調節してください。
肺の全面に筋肉があり、その全てを動かして呼吸をしています。
そのため、その筋肉が硬いと肺が柔軟に動かなくなるので、呼吸が浅くなります。
一曲を歌っている途中から、呼吸が浅くなる場合は、呼吸に伴う筋肉疲労や空気を吐ききれないのが要因となります。
【今日からできる】正しいブレスの仕方
ご存じですか?
ブレス(息継ぎ)は息を吸うところではなく、ブレスまでにとり込んだ空気を使いきるポイントです。
その理由は、肺に空気が入ったまま、呼吸をとっても空気が入らないためです。
ブレスにも様々な方法があります。
- 吐くブレス
- 深いブレス
- 短いブレス
ブレス時に「はっ」と呼気を吐いて呼吸をとる。
例として、ブルーノ・マーズさんのThat’s What I Likeを紹介します。
https://youtu.be/PMivT7MJ41M?t=98
ゆっくりとたっぷりと呼吸をとる。
例として、YOASOBIさんのアンコールを紹介します。
https://youtu.be/vcGbefQBvJ4?t=27
短い休符(歌わないところ)で短く呼吸をとる。
例として、YOASOBIさんのアンコールを紹介します。
https://youtu.be/vcGbefQBvJ4?t=9
その他にも、呼吸のとり込む量を大中小で分けて、聴きこんでみてください。
一つ一つの呼吸のとり込む量が違うことがわかります。
【超簡単ワンポイント】ブレスの理論
『次のブレスまでに必要な分だけを呼吸する』
ブレスはこれだけ覚えておけば、理論は大丈夫です。
ただし、これには特定のキーや特定の発声に合う呼吸の適量を覚えていく必要がありますので、練習が必要です。
ボイストレーニングも良いですが、沢山歌って覚えるのも良い方法です。
【楽で凄い超呼吸】下腹部腹式呼吸
一瞬で沢山空気をとり込める方法が欲しいですか?
それなら、下腹部腹式呼吸を実践してみてください。
下腹部腹式呼吸とは、恥骨の上付近のお腹を凹ましたり、膨らませたりする腹式呼吸です。
通常の腹式呼吸はおへそ付近を循環しますが、それでは沢山空気を吸うことができないと判断しました。
この下腹部腹式呼吸は、腹膜の入っている内臓を下腹部に意図的に下げて、横隔膜の可動範囲を拡げる呼吸方法です。
内臓を下げるのは良くないのではないかと調べたのですが、大食い選手のもえあずさんの食後にCT撮影した画像を見たところ、胃で他の内臓を押し下げているのがわかります。
こちらを見る限り、一時的であれば、内臓を下げても問題ないと判断しました。
※自己責任でお願いいたします。健康被害が起きたとしても当方は責任を負うことができません。
私が実際に体験したところ、初めはおへその両脇に内臓が引っ張られる痛みが生じますが、すぐに慣れます。
呼吸で歌を制する
呼吸が少しでも少ないと喉をしぼり、ブレスまで呼気が続きません。
ファルセットボイス(裏声)や表声(地声)の高音域の発声には呼吸を覚えることが重要になります。
ぜひ、今日から呼吸も聴き込んで、練習をしてみてください。
わからないことがございましたら、体験レッスンの時に、「呼吸を知りたい」とおっしゃってください。
体験レッスンで知り得る全ての知識をお伝えいたします。
参考:
https://ameblo.jp/moeazukitty/entry-12119047886.html
http://blog.livedoor.jp/tombo2011/archives/52488778.html
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