耳の聞こえない方へのボイストレーニング方法の研究・途中経過

耳が聞こえない方が歌えるようになるまでの道のり

※現在研究段階の仮定の範囲であり、確実に歌えるようになる立証がございません。

ある記事を見かけました。
「耳が聞こえない方(全聾)の歌手に憧れている」
音楽は聴こえなくても、ライブやプロモーションビデオに映るボーカルの姿を見ることで楽しんでいるという内容の記事でした。

その内容と同時に耳が聞こえないことで夢を諦めている方が多くいることも知り、耳が聞こえない方が歌を歌えるようにするには、どのようなボイストレーニングレッスンを施したら良いかを調べてみました。

耳の聞こえないの様々な種類がある

私は、これまで、耳が聞こえない方を深く考えたことがありませんでした。
そこで、まず、耳が聞こえない種類から調べ始めました。

先天性と後天性がある

生まれた時から耳が聞こえないことが先天性、あるきっかけで耳が聞こえなくなったことが後天性。
後天性は、おたふく風邪や風疹、突発性難聴などが原因とされているようです。

伝音性難聴と感音性難聴の違い

伝音性難聴とは、異物が耳の通り道を塞ぐことで起きる難聴で、感音性難聴は、生まれつきや感染により起きる難聴で、内耳で音を脳へ伝達する信号を上手く変換できない状態を示します。

厚生労働省により定められている聴覚障害の等級とは

耳が聞こえない方の中には、少し聞こえる方から全く聞こえない方がいます。その方々を表によって定めているようです。

(ここから)
2級:両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上、全聾(ぜんろう)の場合
3級:両耳の聴力レベルが90デシベル以上の場合
4級:両耳の聴力レベルが80デシベル以上の場合、または両耳による通常の話し声の語音明瞭度が50パーセント以下の場合
6級:両耳の聴力レベルが70デシベル以上の場合、または片方の聴力レベルが90デシベル以上、もう片方の聴力レベルが50デシベル以上の場合
(ここまで)(厚生労働省の身体障害者障害程度等級表より)

耳が聞こえない歌手がもたらす希望の光

耳が聞こえない方が歌を歌うことはできないのかと悩みながら調べていたところ、海外に後天性感音性難聴の方が歌われている動画を見つけました。
その動画はこちらです。
America’s Got Talent(YouTubeページに移動します)

腹圧や声帯の柔軟性はさらにレベルアップできる余力がありますが、『かけたり、もたったり』、ビブラートの表現がテクニカルで、この歌声が本人には聞こえていないとはとても思えない完成度の高いレベルです。

この方のお話が、耳が聞こえない方のためのボイストレーニングレッスンのメニューを構築する起点となりました。

聴覚障害が歌を歌える可能性があるボイストレーニングメニューを考えていく

前項で歌われていた方は、足で地面に響いたビートを体で感じ、デジタルチューナーで声を視覚化して練習したとのことです。
周波数特性により、音は高音にいく程、遠くに響き、低音は地面に響く習性を持っています。その為、靴を脱ぐことで、伴奏の低音域、特にドラムのドンドンという音を足の裏で感じることができます。
また、視覚的にテンポを感じとり、体の筋肉で曲を覚えていくこともメニューに取り入れていくことで、一歩一歩とレベルアップできると考えます。

続いて、デジタルチューナーで声を視覚化していったとのことですが、このような機器を使うことで、声の視覚化ができます。
コルグのデジタルチューナー
こちらは、ギターの音をチューニングする時に使用する機器ですが、声にも応用できます。
こちらのモニターを見ながら、正しいキーで発声できるようにすることで、声でメロディーを乗せることができます。

口の動きやイントネーションによる歌詞の発声

とても努力を必要とするボイストレーニングですが、私はこれで耳が聞こえない方でも歌えると歓喜しました。しかしすぐに、歌詞という難題に直面しました。
もちろん、歌詞を乗せないスキャットという発声方法もありますが、歌詞を乗せて歌いたいというご要望でお越しになられたら、どのようにアプローチするか。どのようなボイストレーニングメニューを施すかと悩みました。
「ら」と「ま」の発声は「あ」の発声に舌や唇を動かすことで発声ができますが、他の言葉がどうしても正しい発音ができません。
さらに研究を進めてまいります。

(こちらのページは、2018年4月4日現在、研究途中です)