腹式呼吸と胸式呼吸を使い分けると、歌い方・表現の幅が格段に上がる

ボーカルにとって、腹式呼吸と胸式呼吸はどちらが正しいの?

多くの方は腹式呼吸のほうが上手に歌えると思われますが、実は、どちらも正しいのです。
例えばこちらをご覧ください。
https://youtu.be/BzMF48KvLjk (YouTubeのページに移動します)

こちらの歌われている方をよく見ると、呼吸の際にお腹が凹み、発声の際に胸郭(肋骨)がしぼんでいます。まさに胸式呼吸です。
胸式呼吸であっても、このようなパワフルな歌い方ができます。

なので、胸式呼吸が正しくないとは言えないのです。
それでは何故、胸式呼吸が発声に良くないと言われているのでしょうか。

胸式呼吸での発声は難易度が高い

まずは、とても簡単に腹式呼吸と胸式呼吸の違いをお伝えしたいと思います。

腹式呼吸は、横隔膜を下げて、お腹を膨らまして呼吸をとります。
胸式呼吸は、胸郭(肋骨)を前側に膨らまして呼吸をとります。

横隔膜は肺の下にある大きな筋肉で、胸郭は鎖骨の下から肋骨を覆うようにあります。
どちらも筋肉を操作して、呼吸をとりいれておりますが、使っている筋肉が異なることがわかります。

ここでポイントとなるのが、その筋肉の位置です。
胸郭は喉に近い位置にあり、横隔膜は、おへそに近い位置にあります。

筋肉は一部だけ動かそうとしても、その周りの筋肉も連動して動いてしまうので、胸郭を動かす胸式呼吸は、おのずと、喉の周辺から、あご回りの筋肉も同時に動いてしまい、その結果、あらぬ緊張を招いて、喉を絞った発声になってしまうのです。

腹式呼吸は胸郭より下の横隔膜を操作しますので、胸式呼吸よりも喉から離れている分、喉の力みになりづらく、簡単に覚えやすいのです。
上記の歌手のように、胸式呼吸で歌う方は、この同時に動いてしまう筋肉を限りなく別々に使う能力を持っています。

それでは何故、胸式呼吸で歌う歌手と腹式呼吸で歌う歌手がいるのでしょうか。
これは、プロならではの匠(たくみ)があります。

胸式呼吸と腹式呼吸とは、ボーカルの技

例えば、「この人の歌声、感情が入っているな」と感じたことはございませんか?
こちらは前記にもお伝えしましたが、表現方法という技で豊かな歌声を奏でています。

表現方法についての記事はこちら
感情の込めて歌うためには、表現方法という技を覚えよう。イメージだけでは歌えません。
(セントラルノイズボイススクールのブログページに移動します)

その表現方法のひとつとして、胸式呼吸と腹式呼吸もあるのです。

腹式呼吸と胸式呼吸の表現の違い

呼吸方法によって、歌い方や合う曲が異なってきます。

  • 腹式呼吸
  • 主に、ゆったりとしたバラード曲に適しています。
    穏やかな優しい歌声を届ける時には腹式呼吸が良いでしょう。

  • 胸式呼吸
  • 主に、緊張感のある曲に適しています。
    怒りや恨みなど強い感情を届けるには胸式呼吸が良いです。

    上記のYouTubeの動画もまさに恨みを歌った曲になります。

このように、様々な表現方法の中の一つとして、呼吸方法があります。
近年、歌が上手な方がどんどん増えてきておりますので、歌が上手いだけでは、聞き手は『普通』としてとらえてしまいます。
その聞き手を感動させる。または、素人には聞こえない歌い方を身に付けるには、この表現方法が必要になるでしょう。

普段お話をする時や生活をする時、ほとんどの方が胸式呼吸

普段の生活の中、ほとんどの方が胸式呼吸で呼吸をしています。
特にデスクワークのお仕事を努めていたり、車を長時間運転する方は胸式呼吸の傾向が強いです。

この胸式呼吸は胸郭の筋肉の柔軟性が硬い状態で浅い呼吸が多いので、どうしても発声しづらく、喉を絞った歌い方になってしまいます。
まずは、普段の生活では取り入れていない腹式呼吸を覚えていただき、呼吸を深く取り込む力と呼吸をしても喉をリラックスした状態を身に付けた上で、胸式呼吸を覚えていただくのが良いステップです。

生活の中で意識的に腹式呼吸で呼吸をするだけでも、歌いやすくなるはずです。

もし、腹式呼吸の仕方がわからない方はぜひ一度、当スクールの体験レッスンにお越しいただいた時に、「腹式呼吸がわからない」とご用命ください。