感情の込めて歌うためには、表現方法という技を覚えよう。イメージだけでは歌えません。

あなたの歌で感動させる方法を学べるボイトレ
投稿日:2018年2月11日/加筆日:2020年12月7日

【結論】歌に感情を込めるには、表現方法という技が必要

表現方法とは、歌の中に含まれる、しゃくりやこぶし、フォール、抑揚、声帯閉鎖、地声、裏声、滑舌、リズムなどのことを言います。

世界的に人気のある歌手の曲を聴くと、一曲の中に数多くの表現方法を含ませて、鮮やかな曲に仕上げています。

例えば、マイケルジャクソンさんの歌い方の特長のひとつの中高域の声を一瞬だけ「トゥッ」と入れたり、「タッ」と息を出したりするのは、呼吸の安定や声帯疲労を避けた発声もありますが、周波数や倍音を意識した表現方法だと考えます。

マイケルジャクソンさんのテクニックを分析した詳細はこちら。
マイケルジャクソンさんの「ぽう!」、「だっ!」、「かっ!」の意味を考察すると凄いことがわかる

その他にも表現方法は、無限大にあります。

  • 言葉を短く発声するパッセージノート
  • だんだん声を大きくするクレッシェンド
  • だんだん声を小さくするデクレッシェンド
  • 声区の切り替え
  • メロディーやリズムのアレンジ
  • 鼻から発声するノーズボイス
  • ささやきで発声するウィスパーボイス
  • ひずんだ声を混ぜるディストーションボイス
  • 声の響きを変える共鳴腔の使い分け

更に、ボーカルひとりひとりの独自の表現があります。
この表現方法は、組み合わせによって、様々な印象に変化することができるので、表現したい感情を歌を通して伝えることができます。

感情を込めて歌うには、気持ちを込めて歌わない

「どうしたら、感情を込めて歌うことができるのかわからない」と、悩まれていませんか?

実は、歌に感情を込めようとすると、喉で感情を表現しようとしてしまい、喉を絞る発声になってしまうため、ボーカルは感情を込めて歌っていません

感情を込めて歌うと起きてしまう3つのデメリット

  • 感情移入して歌うと涙が溢れて、歌えなくなる
  • 音楽は直接感情に作用する力を持っているため、その想いの含まれた歌詞の当事者になりきって歌うと、涙が溢れたり、舌根や表情筋、胸郭に緊張が入るために呼吸が浅くなったり、喉を絞り、良い声で歌えなくなってしまいます。

  • 辛い心境をそのまま歌に反映させると、聞き手は聞き苦しい
  • 日々の生活の中で時には辛いことを経験することもあるかと思います。その辛い気持ちをそのまま歌に反映してしまうと、沈んだ重苦しい歌いかたになり、聴き心地が良くなくなる。

  • 歌の旋律が単調になり、物足りない歌声になる
  • 気持ち先行で歌うと、楽しいや悲しいなどのある特定の気持ちだけが歌声に乗り、様々な曲を歌っても同じ曲に聴こえてしまいます。

このように自らの感情をそのままに歌うことはデメリットがあります。

表現方法を身に付けるには

表現方法を習得する最初のステップは、あらゆる歌手の歌い方を聴き込んでみてください。
まずは好きな曲から聴き込んでみるのをおすすめします。

「このフレーズが好き」、「この表現に感動する」と思う歌いかたを見つけたら、何度も歌い、真似してみてください。

歌詞カードをインターネットなどから印刷して、その歌詞に、ここのフレーズはしゃくり、このフレーズはこぶしなど、原曲に含まれている表現を記載するのもおすすめです。

カバー曲を歌いたいなら、コピー曲を増やすべき

カバー曲とは、原曲をご自身の表現で歌った曲で、コピー曲とは、原曲のボーカルが歌った表現の通りに歌うことです。

カバー曲を歌いたいなら、ぜひ、コピー曲を増やしてみてください。
なぜなら、コピー曲を増やせば増やす程、原曲のボーカルの歌いかたや表現方法を覚えることができるからです。

そうして、覚えた表現方法は、カバー曲を歌う際の表現方法のストックになり、歌う時に、『このフレーズは、哀愁漂う歌いかたをしたい』と思ったら、そのストックの中から、哀愁漂う歌いかたをなさっているボーカルを見つけて、その表現方法をカバー曲に反映することができるようになります。

例えば、同じ曲を歌っているのに、原曲とカバー曲は違う曲のように感じたことはありませんでしょうか。
これは、原曲とは違う表現方法を歌の中に含ませているためです。

表現方法は、白黒の絵に思いのまま色を塗る、塗り絵に似ています。
例えば、空の絵に色を塗る時に、何色を塗りますか?

空の色は、七色それぞれの色の濃さにより、青にもなれば、黄色にもなります。
なので、その空の絵は、ひとりひとりで塗る色は変わります。

曲も白黒の絵と同様で、ボーカルによって、色をつけていきます。
喜怒哀楽やバイオリズム、気分の高揚や体調の変化などによってもメロディーラインは、ひとりひとり、少しずつ変わり、時にはリズムがもたったり、かけたりもするでしょう。
その自身から生み出される自然体と自らの感情を声帯の操作、腹圧の操作、発声に伴う筋肉の操作で発声の仕方を変えて表現するのが表現方法という技です。

「ここは、少しノーズボイスにして、丸い声にしよう」
「ここのブレスは無くして、ロングトーンで繋げよう」
「イントロからの歌い出しは、共鳴腔にしっかりと響かせて、魅力を最大限生かそう」

このように自身の感性を技で表現することが、感情を込めて歌うことです。

【オリジナリティ】独自の歌の表現力を身に付けたい方へ

歌の感情表現における守破離(しゅはり)に挑戦してみてください。

初めにプロで活動しているボーカルの歌いかたを真似して、その型を徹底的に守ります。
何度も何度もその歌いかたを真似し続けていると、もっと自らに合った良い歌いかたがあるのではないかと感じ、他の歌いかたに挑戦できるようになり、今までの歌いかたを破ることができます。

何度も真似し続けていると、いつのまにか、これまで真似してきた歌いかたから離れ、独自の表現方法で歌っていると気が付きます。
これをオリジナリティと言います。

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