プロになるまでに必要な練習量が判明。プリンストン大学の研究で明らかになった、ボイストレーニングしてプロレベルの能力を得られる割合
プロになれない理由は意味のない練習にある
10年間、好きなことに努力している方は、その好きなことを仕事にできると言われています。
実際に私も、師匠のもとで11年間学ばせて頂いたのち、ボーカルトレーナーとして立身いたしました。
しかし、10年以上学んでも、プロとして活動できない方は多くいらっしゃいます。
その理由をこちらのページで明かしていきたいと思います。
プリンストン大学の研究結果から判明したプロになるための練習量
時に、「何時間も予習したから明日のテストは完璧だ!」とおっしゃる方もいますが、それはもしかしたら、無駄な時間を費やしているのかもしれません。
プリンストン大学の2014年の研究結果によると、プロレベルの能力になるまでに必要な練習量は、勉強だと、100%中4%という結果となりました。
これは、テスト対策で問いに答える問題集を何度も解いたところで、4%の結果にしかならないということです。
他の職種についても研究結果が出ています。
専門職の場合、プロレベルの能力になるために必要な練習量は、たったの1%です。
練習はほぼ必要ないという結果です。
そして、音楽は、少し多めですが21%です。
つまり、ボーカルも含めた音楽の場合、残りの79%は、練習ではない他の要素でプロになるということです。
プロレベルの能力を身につけるために行っている練習は、どんなに時間を費やしても、100%中の約5分の1にしかならないのです。
何年も何十年もボイストレーニングに努めても、プロレベルの能力に達するために必要な要素の21%にしかならないのです。
なので、練習とは、量でも時間でもなく、プロレベルの能力になるために必要な他の要素を生かすためにあるのです。
更にお伝えすると、ゲーム(スポーツ)では、100%中26%の割合でした。
この研究結果の面白いところは、体を動かして、筋肉で覚える分野の練習は、割合が高いということです。
ボーカルも全身運動なので、嬉しい限りです。
練習以外でプロになるために必要な要素とは
例えば、ボーカルとして、プロを目指したいのであれば、以下のような様々な方法があります。
- カラオケ大会に出場する、ライブ活動する(実践経験)
- 指導者から知識を得る(学び)
- ひらめきやセンス、スキル(実行力)
カラオケ大会に出場することは、賞を獲得するためだけではありません。
歌を志す方々との出会いがありますし、音楽関係者と出会う機会もあります。セッションや対バン、カラオケ会のお誘いもありますし、何よりも、歌を聴く観客の反応を感じることができて、より歌い方を進化させることができます。
ライブ活動や実践的な活動としては、YouTubeやニコニコ動画などの動画配信サイトでライブ映像をアップすることもできますし、ラジオにオリジナルの音源を配信することもできます。カラオケ機器ライブDAMの会員サイト『DAMとも』も、比較的大きな音楽配信コミュニティーがありますので、そこにも配信できます。そこから、タイアップのお誘いがあるかもしれませんし、こちらからタイアップのアポイントをとることもできます。
その際に、YouTubeやニコニコ動画、DAMともなどの配信年月日は、活動の証明になります。
活動の証明は、信用の証明になりますので、長く続けているととても有利になります。
今では、アニメーターとタイアップしているシンガー(歌い手さん)も多くいらっしゃいます。
指導者とは、ボーカルトレーナーもそうですが、すでに音楽業界でプロとして活動している方のことを指します。
音楽業界でプロとして活動している方は、それ相応の知識と経験を持っています。インターンもよし、弟子入り志願するのもよし、アポイントもよし、スクールに通うのもひとつです。
ボーカルのみならず、芸能界、芸術関連の職業に努めている方は、一人一人が自営業(企業)のようなものです。
会社員と違い、自らを営業して、魅力をアピールする力が必要です。
例えば、水でお話をすると、エビアンとコントレックスの違いは、どのようなところでしょうか。
そうですね、コントレックスのほうが、栄養素が豊富なので、とろみあるところでしょうか。
実は、どちらもフランスが採水地なのですが、異なる個性があります。
個人的に私は、エビアンが好きです。
このように、他とは違う魅力を能力として勝負することが必要です。
魅力の見つけ方と独自性を能力にする方法はこちら
歌手になりたい夢で悩んでいる方へ。
(セントラルノイズボイススクールの他のページに移動します)
この他にも様々ありますが、一つ言えることは、人の真似ではプロにはなれません。
プロとして活動している方の上に行くべきです。
ポイント! コツとして
とても好きなプロシンガーの歌をより聴き込んでみてください。
『この人、こうすればもっと良くなるのに』と感じるまで何度も何度も聴き込んで下さい。
『そのもっと良くなるのに』に、あなたがプロになる入口があります。
プロになるためにボイストレーニングは必要なのか
時に、交友関係が広い方でもプロとして活動していない方がいます。
これは逆に、練習をしていないからです。
音楽でお伝えするのであれば、練習以外の79%を持っている方でも、練習の21%をしなければ、プロレベルの能力を得ることはできないのです。
なので、練習は必要です。
しかし、練習と言っても色々あります。スクールでボイストレーニングを学ぶのも一つですが、他にも、実践の中でトライアンドエラーを繰り返し、能力を上げることもできます。
この実践とは、カラオケでより上手に歌うために試行錯誤することや、憧れている歌手の歌い方や表現方法を細かく聴き込んで、どのようにしたら、憧れている歌手のように歌えるのかを歌い込んで覚えていくこともあります。
以前、当スクールのブログで、このようなお話をしたことがあります。
【もし、4,500円しか自己投資できなくて、ボイストレーニングに通うか、カラオケ大会に出場するか、どちらかを悩んでいるなら、私は間違いなく、カラオケ大会をおすすめします】
それだけ、実践の中で得るものは大きいです。
実際に、当スクールにお越しいただいている生徒さんのある方は、友人とカラオケに行くようになってから、発声に伴う基礎能力が上がっています。ある生徒さんは、カラオケ大会に出場を始めてから、格段に声質と声の響き(共鳴)の能力が上がりました。
なので、ボイストレーニングの練習量、練習時間がどれだけあっても、プロレベルの能力を得ることはできないのです。
練習は望んだ目標を実現するためにあって、練習だけでプロになれるわけではないのです。
勉強も同様です。
学生さんに問います。
なぜ、勉強をしていますか?
「勉強がつまらない。宿題が億劫」と感じていませんか?
それは、その勉強をするために必要な目的がないからです。